クルアーン


ナージー・イブラーヒーム・アル=アルファジュ

クルアーンとは、人間の生き方を規律立て、統治するために唯一なる神(アッラー)によって制定された啓示のことを指します。それは創造主の完全な知識に基づき、かれの創造物について述べられたものです。クルアーンは私たちを真実へと方向づけ、人類を真実の道へと招き入れます。それは人間の宿命に対する重要な情報を含みます。人々がそれを理解しようと努め、その訓戒を適用した時、クルアーンは人々を諭し、気高い精神を育み、道徳心、知力、社会的地位を高めてくれるのです。クルアーンは預言者性を示す確固たる証拠として、最後の預言者ムハンマドに授けられた、一つの不変性を帯びた奇跡的出来事です。それは唯一無二にして、比類なき性質を備えています。14世紀も前に啓示されたクルアーンは、その元来のアラビア語様式を留め、完全無傷の状態で不変性を保ちながら今尚、現存しているのです。

唯一なる神がもたらす広大な言葉とその英知の中から、いくつかの洗練されたクルアーンの節を読者の方々と共有できることを切に願います。しかしながら、本書のこの限られたスペースの中でどの節を紹介するべきか、その選択は私にとって非常に困難なものです。それ故、唯一なる神から下されたこれらの言葉が持つ特性を知るためにも、読者の方々は個人的にクルアーンに目を通されることをお勧めします。クルアーン原典の写本を入手されるか、もしくは信頼のおけるイスラームのウェブサイトを活用してみてください。

 

確かに、アッラー、そしてイスラームは、平安や慈悲、寛容を起点としたものであり、憎しみや殺戮、テロ行為を根源としたものではありません。それ故、イスラームでは魂の救済や永遠の生活を得ることを目的とし、アッラーに立ち返り、アッラーのみを信じ、そして善行に励むことを勧めるのです。無実の人や正しい行いの人が他人の罪を背負うことはありません。イスラームはそれに従う者(ムスリム)に対し、他者へ寛容に振舞うよう教示しています。これは、イスラームが示す美しい観点です。実際、イスラームは慈悲と寛容の宗教なのです。

公正

「あなたがた信仰する者たちよ、アッラーのために堅固に立つ者として、正義に基づいた証人であれ。人々を憎悪するあまり、あなたがたは(仲間にも敵にも)正義に反してはならない。正義を行いなさい。それは最も篤信に近いのである。−」

5:8

イスラームでは仲間であれ敵対者であれ、すべての人々に対して公正に振舞ように教えています。また、それは平和な時であっても戦時であっても、いかなる時であれ同様の事がいえるのです。

またイスラームではそれに従う者たちに対して、彼ら自らが個人の気まぐれな思いつきや社会的、文化的な事情から離れ、無条件に公正さと道徳を持って行動するように教えています。

「誠にアッラーは、あなたがたが信託されたものを、もとの所有者に返還することを命じられる。またあなたがたが人の間を裁く時は、公正に裁くことを命じられる。」

4:58

実践すべきものとして明示される美徳、不変の価値観、慈悲、そして公正さのように、イスラームではムスリムの学識者たちが示す5つの必要事項を守るよう、私たちに命じています。

―5つの守られるべきもの―

イスラームではムスリムに対して彼ら自身、そして他者に対し次に示す項目を守るように命じます。

1、宗教 2、生命 3、理性 4、名誉(尊厳)5、財産(私達が所有する全てのもの)

自由と宗教の保護に関して、クルアー

ンでは次のように述べられています。

「宗教に強制があってはならない―」

2:256

このようにイスラームでは、人間全体に対する敬意を示し、いかなる人であっても力によって宗教に帰依するよう強いられることはありません。これはイスラームの誠実さ、美徳、優しさ、寛容さであり、ムスリムがムスリムでない人々に対して振舞うべき態度なのです。それ故、私たちは他者を判断する際、実直で客観的に、そして公正に振舞わなければなりません。アッラーは私たちに対し、クルアー

ンの中でこのように述べています

「あなたがたは(仲間にも敵にも)正義に反してはならない。正義を行いなさい。それは最も篤信に近いのである―」

現今、何千もの思慮分別に富んだ、客観的で誠実な、心の広い世界中の男女がイスラームを受け入れる姿が日々見受けられます。彼らがいかにしてイスラームに立ち返ったかの経緯は、多くの書籍や記事、インターネットのウェブサイト上で見ることができます。

さらに、最近のアメリカやヨーロッパの地域ではイスラームが最も急速な成長を遂げている宗教として報告されているのです。

 

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